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沈みゆくフィリピン諸島 [環境]


20年以上前、歩いて行くことができた教会が
今では泳いで行かなければならない。

気候変動による海面上昇よりも差し迫った
地下水のくみ上げの結果生じた破局的な地盤沈下。

2003年以降、毎年4~6センチの地盤沈下、
世界的な平均海面上昇速度は年間約3ミリ。

首都マニラの北部でも未来の予兆?を感じさせる現象が起きている。

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2019年6月9日
沈みゆくフィリピン諸島、地下水くみ上げの脅威 気候変動上回る
AFP

20年以上前、フィリピン北部のシティオパリアハン(Sitio Pariahan)にメリー
アン・サンホセ(Mary Ann San Jose)さんが移って来た当時は、地元の教会まで
歩いて行くことができた。だが、今は泳いで行かなければならない。

その主な原因は、地下水のくみ上げの結果生じた破局的な地盤沈下だ。
その多くは、人口増加と経済成長を支えている、住宅や工場、農業用の規制のな
い井戸によって起きている。

パリアハンのようなフィリピン北部沿岸の街や小島では絶え間ない地盤沈下によ
り、マニラ湾(Manila Bay)の海水が内陸に流れ込んで、住民数千人が退去を余
儀なくされている。

その脅威は、気候変動による海面上昇よりも差し迫ったものとなっている。

住民の大半は同じ地方の別の場所へ散り散りになり、パリアハンに残った家族は
わずかとなった。

海水が流れ込む前には小学校やバスケットボールコート、教会などがあったが、
今日残っているのは水浸しの教会と、サンホセさん家族らが住む竹でできた高床
式の小屋の一群、そしてまだ沈んでいない一角に立つ数軒の家だけだ。

人工衛星の観測によると、パリアハンがあるブラカン(Bulacan)州とパンパン
ガ(Pampanga)州では2003年以降、毎年4~6センチの地盤沈下が起きている。
一方、国連(UN)が推計する世界的な平均海面上昇速度は年間約3ミリだ。



首都マニラの未来を予兆?

忍び寄る湾岸水域の拡大により、住民や土地が危機にさらされている。その脅威
は毎年フィリピン諸島を襲う約20回の暴風雨がもたらす高潮と洪水によってさら
に増幅されている。

地域の災害対策当局者はAFPの取材に対し、農村を主とするマニラ北方の沿岸部か
ら、過去数十年間に少なくとも5000人が退去を余儀なくされたのは、湾岸水域が
さらに内陸に広がったためだと説明した。

この沈下が常態化する可能性が非常に高いのは、被害の最も大きい地域の地盤が
ほとんど粘土質のためだ。粘土は水が引くと固まる性質がある。

パリアハンのような街の運命は、首都マニラの人口1300万人の一部を待ち受ける
諸問題の予兆となっている。

この問題を追究する科学者グループの一人、ナロド・エーコ(Narod Eco)氏は
APFに対し、マニラ湾沿岸部でも一部沈下が進行しており、その主な原因は過剰な
地下水くみ上げである可能性が高いと指摘する。

だが、この地域の沈下は北部沿岸の各地より遅く、その理由は地下水のくみ上げ
が少ないか、土壌が違うためだろうと語った。


マニラ首都圏では2004年以降、井戸の新設が一時禁止されている。だが国全体で
この禁止を徹底させ、また既存の違法な井戸を封鎖する任務を負っているのは、
国家水資源評議委員会(National Water Resource Board)とそのスタッフ約100
人だ。

同委員会のセビリョ・ダビド(Sevillo David)委員長はAFPに対し、人的資源が
不足していると語った。

1985年以降、マニラの人口がほぼ倍増し、国の経済規模も約10倍に拡大したこと
に伴い、水の需要も急上昇した。爆発的な成長により、特に首都の北方地域での
農業と製造業で膨大な水の需要が生じたためだ。

それでもパリアハンに残った住民らは、彼らが故郷と呼ぶ場所にとどまれるよう、
できることは何でもしている。サンホセさんは「毎年、家(の床)を高くしてい
る。今では頭が天井につきそうだ」と語った。

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