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カメレオンの原理で色を変える新素材 [科学]


カメレオンが体の色を変える仕組みから
「直射日光によって、色の変化を引き起こすことに成功」

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カメレオンのような皮膚細胞には、フォトニック結晶と呼ばれる小さな結晶がびっしり詰
まっている。固有の色を持つ色素と異なり、これらの結晶は大きさや化学組成、配置によ
って光の反射・散乱のしかたが変わり、色が変わる

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自然界には様々な仕組みのヒントがある。あたかも人類にその叡智の一端を
見せてくれているかのように。それに気付くことで大きな課題の進展にも寄与
する。人間の人体を創造した叡智は自然界に散りばめられていそうである。

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2019.09.15
カメレオンの原理で色を変える新素材を開発
迷彩服や塗料に?フォトニック結晶使う「スマートスキン」論文発表
ナショジオ

カメレオンは、体の色をいとも簡単に変えているように見える。敵を威嚇したり、背景に
とけ込んだり、交尾の相手を探したりするとき、皮膚の色を短時間で変えることができる
からだ。

科学者たちは何十年も前から、この仕組みを解き明かそうとしてきた。そしてこのほど、
太陽の光を浴びると色が変わる新しいスマート(賢い)スキンの開発に成功した。


「自然界ではいつも起きていることですが」と米エモリー大学の生物工学者ハリド・サラ
イタ氏は前置きしたうえで、「直射日光によって、色の変化を引き起こすことに成功しま
した」と述べた。氏らの論文は9月11日付けで学術誌「ACS Nano」に発表された。

このスマートスキンは迷彩服から塗料、化学センサーまで、あらゆるものの材料として利
用できる可能性がある。

米ノースイースタン大学の生化学者レイラ・デラビ氏は、新しいスマートスキンは「工学
者にとって大きな課題」を解決するものと評価している。というのも、従来のやり方とは
違い、素材の体積を維持したまま色を変化させられるからだ。なお氏は今回の研究には関
わっていない。


カメレオンにならって

ハリー・ポッターが透明マントを身に着けるはるか前から、動物たちは体の色を巧みに操
ってきた。カメレオンはもちろん、熱帯魚やタコ、イカなどが、この能力を独自に進化さ
せている。

こうした動物の皮膚細胞には、フォトニック結晶と呼ばれる小さな結晶がびっしり詰ま
っている。固有の色を持つ色素と異なり、これらの結晶は大きさや化学組成、配置によ
って光の反射・散乱のしかたが変わり、色が変わる。


2015年、学術誌「Nature Communications」に論文を発表した別の研究チームは、カメ
レオンには「普通」の皮膚細胞のほかに、グアニン結晶を含んだ細胞の層があることを
発見した。

体色を変えるときは、結晶を含む細胞を自在に伸縮させ、さまざまな波長の光を反射する
。同時に、普通の皮膚細胞も隙間を埋めるように伸縮する。


色が変わるスマートスキンを開発する科学者は通常、ゼリー状のポリマー化合物にフォト
ニック結晶を埋め込む。今回の論文の著者であるイーシャオ・ドン氏はさらに工夫して、
カメレオンの皮膚と同じようにポリマーを2層構造にすることを提案した。

ドン氏はサライタ氏の研究室に所属する博士課程の学生だ。
「完璧な解決策だと思いました」とサライタ氏は振り返る。


光を浴びると色が変わる

研究チームがつくったのは薄くて柔軟な構造物。2つの層のうちの1つには、酸化鉄と二酸
化ケイ素のフォトニック結晶が埋め込まれている。化学的には「鉄さびの核を砂の殻が覆
っているようなものです」とサライタ氏は説明する。
もう1つの層は、無色のポリマーでできている。

サライタ氏らはこれに太陽光とレーザー光を当てた。スマートスキンを開発する従来の
研究では、色の変化を起こすのに高圧電流を用いるのが一般的だった。

ある実験では、ドン氏は木の葉の形をした黄色いスマートスキンを用意した。太陽の光
を当てて5分後、スマートスキンは緑色に変色。研究室の外で集めてきた本物の木の葉
にとけ込み、迷彩として利用できる可能性を示した。

その後、
ドン氏とサライタ氏はレーザー光を使うことで、さらに短時間で色変化を引き起こした。

「光で色を変えるのは賢い方法だと思います」と、デラビ氏は今回の研究を評価する
一方で、スマートスキンを実用化するにはまだ時間がかかると考えている。

最大の課題の一つは、衣服やパネルなどに利用できる大きさのスマートスキンをつくる
ことだ。動物ははるかにうまく色を操り、人工材料より劇的な変化を生み出すと、サラ
イタ氏も指摘している。


研究成果の実用化は「学術研究の不変の難題です」。それでも、取り組む価値はあると、
デラビ氏は考えている。

動物たちは何百万年もかけて進化し、体の色を変化させる完璧なシステムをつくり上げ
てきた。科学者たちがその秘密をいくらか拝借しようとするのも当然だ。「このポリマ
ーが理想の材料に生まれ変わる可能性は十分あります」とサライタ氏は述べている。

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